土地のおはなし

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不動産である土地を強引に売ろうとする父

母が他界してから数年。父は新しい嫁さん候補を見つけてきた。どこで見つけてきたかはしらないが、その女性を兄夫婦や私に紹介してきたのだ。色々と不安な点はあったが、結局われわれ家族は、その結婚を渋々認める事となった。特に父の会社を継ぐ予定であった兄としては、再婚自体反対だったであろう。会社の運営方針に第三者から口を出されてはたまったもんじゃない。持ち株だって父の半分は嫁さんが握っているようなものだし、下手すると会社自体、嫁さんに持っていかれてしまうのではないか?と、気が気ではなかっただろう。我が家という不動産だってある。父名義のため、これも半分嫁さんにもっていかれる事だろう。
それからしばらくして、父はマンションを買って、実家を出て行った。これで実家には私一人だけとなった。家は人が住んでいないとすぐに朽ちる。だから私に住んでいてくれと頼んできたのだ。家賃も光熱費もいらないとの事なので、私はふたつ返事で引き受けた。しかしそれから数ヵ月後、舌の根もかわかぬうちに、父が「あの土地は早めに売ろう」と言い出した。俺と兄は猛反対した。当時、土地の価格は底値近かった。それに不動産は、売ってお金にするよりも、そのまま持っていたほうが得であると思っていたからだ。父はなぜ急に土地を売ろうと言い出したのか?人に住んでくれといっておきながら、今度は出て行け、との事なのか?まったくもって勝手な話である。
元来私の実家は、父が、現在は兄が経営する会社に何かあった時に、運用資金の足しにするために建てた様なもので、会社の危機でもないかぎり、売ってはならないと、兄は幼少の頃より父に教育されてきた。それがここにきていきなり売りたいとは。何かがおかしい。私たちは父にしつこく問いただしてみた。すると父は「自分が買ったマンションのローンに少しあてたい」と白状した。会社のための土地だと昔から散々いっておきながら、結局は自分の私利私欲のために土地を売ろうとする父。これには私も兄も猛反対。なんとか今現在も、土地は売らずに残っている。このままずっと住んでいてやろうか?


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